引きこもりがブラックなピラティスジムでトレーナーになった結果、3ヵ月でギブアップした話⑤
前回までの記事では、引きこもりだったわたしがピラティスのパーソナルジムのトレーナーとして採用され、研修が始まったものの、オーナーから経歴詐称を求められジムを辞めるべきか悩むところまでお話しました。
今回は、その続きです。
ジムを辞めるかどうか。出した結論は…
その夜、布団に入ったわたしは悪代官のようなオーナーの顔を思い浮かべながら、何度も自分に問いかけました。
(オーナーのことはもう信用できない。そんな会社で続けていけるの?)
心の中では、何度も「辞めたい」という声が響いています。
でも一方で、別の声も聞こえてくるのです。
「せっかく、なんのスキルも経験もないなか、採用してもらえたのにもったいないよ」
「こんなことですぐ辞めたら、どこへ行っても続かないんじゃない」
「また引きこもりに逆戻りしていいの?」
2つの相反する声がぐるぐると頭の中を駆け巡り、答えはなかなか出ませんでした。
そして翌朝、最終的にわたしが出した結論は…。
「もう少しだけ、頑張ってみよう」
というものでした。
経歴詐称は、断れば問題ない。
せっかく勇気を出して新しい場所、環境に飛び込んだのだから、もう少し頑張ってみたい。
トレーナーとしてデビューしたい!
そう心に決めたら、モヤモヤしていた気持ちは吹き飛び、エネルギーが湧いてくるのを感じたのでした。
だけれども、現実は甘くなかった
もう少し頑張ってみようと決めたわたしは、そのまま研修を受け続けました。
しかし、一度悪代官としても顔を見せたオーナーは、もう本性を隠す必要もないと思ったのか。
研修期間のなかでの言動が日に日にエスカレートしていったのです。
「勤務時間の30分前には来て準備してください!トレーニングは50分だけど、1時間以上やるように!みんなそうしてるんだから!」
「もおおおおおおおお、なんで器具をそうやって持つかなあ~~~!!!みんなそうなんだよなあ~~~、こうやって持てば!!!全然重くないんですよ!!!ほらやってみて!!!」
「また出ましたね!!!その思考の癖!!!」
わたしは感情的に、声を荒げて指導されたり注意されるのがとても苦手です。
オーナーが大きな声を出すたびに、心が縮こまっていくのを感じました。
ですが、わたしは萎縮しやすい一方で、理不尽さを感じると黙ってられず言い返してしまう性格でもあります。
ちょいちょい、オーナーに反論して言い返していました。
素直さを買ってもらって採用してもらえたはずが、オーナーの言動でおかしなところがあるとそれを見過ごせず指摘してしまう小姑のようなスタッフになっていったのでした。
そんななか、ついにそのときは訪れました。
研修期間も終盤に差し掛かったある日の出来事です。
トレーニングに入る前のストレッチで、経験者でないととてもできないような手技をやるように言われたのです。
「僕のやったとおりにやってみてください!!!!!!!!!」
その日はオーナーの機嫌がいつになく悪く、荒々しい口調で指示されわたしは萎縮していました。
「(これは絶対に無理なやつだ…。)これは、無理です。できません。」
「!!!!!!!!!!!!!!苦手なことからいつまでも逃げてるだけじゃないですかああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
これまでで最も大きい声でそう怒鳴った、オーナー。
何かが、ぷつんと弾ける音がしました。
逃げてる…だと?
その瞬間、混乱していた頭の中が一気にクリアになりました。
スタッフに経歴詐称をさせてお客さんを騙そうとしてる人間に、なぜわたしがそんなこと言われなければならないのか。
もう、怖くない。わたしは毅然とした態度で言いました。
「最初から全部はできないです。」
「ハッ!!!!!!!!!すごい言いぐさですねええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」
うるせえええええええええええええええええええええええええ
スタッフに経歴詐称させてお客さん騙そうとしてるような奴に言われたくねえええええんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ふざけんなあああああああああああああああああああ(# ゚Д゚)
怒りを胸に秘め、帰宅したわたしはやはりその夜眠れませんでした。
「もう限界だ」そう悟り、翌日退職届を書いてオーナーに提出。
オーナーは、スタッフが研修期間中に辞めるというのに、なぜか爽やかな笑顔でした。
そう、面接のときのように。
もしかしたらわたしがあまりに使えないので、辞めてくれるのを待っていたのかもしれない。軽やかなオーナーの姿を見て、そのときそう思いました。
こうして、約3ヵ月にわたる研修期間に終止符を打ったわたしは無事、もとの引きこもり生活に戻ったのでした。
結論:人の下で働くの無理
今回の件で学んだことは、わたしは自分を殺して癖の強いリーダーに従うということが壊滅的にできないということです。
確かにオーナーはおかしかった。
ずさんな経営で次々に店舗を潰したり、横領されたり、スタッフに全員辞められたり。
挙句の果てにスタッフに経歴詐称させようとして、ロクな人ではなかったと思います。
でもそれでも、オーナーのおかしさを気にせず、適当にハイハイと合わせられることができる人もいると思うのです。
どんなに理不尽でも、採用された身である以上は経営者であるオーナーがルールブックなのだから。
わたしはそれができない。
いちいち気になってしまう。
それおかしくない?筋通ってなくない?
自分の正義を無視できない。黙ってられず、主張してしまう。
雇われることに向いてません!!!
会社員だった頃から、それは感じていました。
今回雇われてみて、それを再確認…。
やっぱり、小さなことからでもいいから自分で起業して自分が社長になりたい。
人に合わせ続ける働き方より、自分らしく働ける道を選びたい。
雇われて働くことのできない社会不適合者には、もうその道しか残されていない。
そう、決意を新たにしたのでした。
