枝豆選別の短期アルバイトに挑戦するも、わずか1時間半でクビになる
聞いてください…。
先日、農家が募集していた短期の枝豆選別アルバイトに応募し、無事に採用されましたんです。
そした迎えた今日、初勤務の日。
先ほど、タイトル通りにまさかの勤務開始1時間半でクビになってしまいました。
あまりにも予想外の出来事で、お土産にもらった大量の枝豆を片手にぶら下げ、放心状態のまま帰宅。
そして今、このブログを書いています…。
一体、アルバイト先で引きこもりに何があったのか?
事の顛末をこれから包み隠さずお話します。
どうか最後まで読んでいってください。
単発バイトから短期バイトへステップアップしたかった
タイミーで何度か単発のアルバイトを繰り返す中、徐々にブラックなパーソナルジムを2ヵ月で辞めた傷が癒えてきました。
バイト先では特に怒られることもなく無難に勤務を終えることができたので、ちょっぴり自信がついてきたわたし。
そうなってくると、欲が出てきます。
単発ではなく、短期のアルバイトに挑戦してもうちょっと大きな金額を稼いでみたい!
そんなとき目についたのが、枝前農家の求人。
仕事内容は枝豆の選別作業。
勤務期間は1カ月で、単発バイトからステップアップするにはちょうどいい感じ!
勤務先は、なんと徒歩5分の作業所ですごく通いやすい。
超のつく田舎在住ながら、運転のできないわたしは通えるところがかなり限られています。
これは行くしかない、ということで早速応募!
気さくでフレンドリーな面接で、即合格
応募の電話をすると、社長の女性はすごく喜んでくれました。
なかなか応募がないらしく、人手不足が深刻なようです。
近所ということもあって、その日のうちに面接をしてもらえることに。
ちなみに履歴書は別にいらないとのことで何も持って行かず。
行くと、出迎えてくれたのは70歳くらいの明るくて気さくな社長の女性。
早速、作業場に案内してくれました。
作業場にあったのは、巨大なベルトコンベア。
ここに次々と枝豆が流れてきて、それを選別していくのがお仕事だそう。
「誰でもできる簡単な仕事だから、大丈夫!高校生でもやれてるから心配しないで。働いてるアルバイトさんもみんな良い人ばかりだから!」
(※実際は方言でお話されているため6割くらいしか聞き取れない)
ですがベルトコンベアを目の前にしたわたしの胸にはふと一抹の不安がよぎります。
(これ…酔わないのかな?)
確か以前、ネットで見たことがありました。
ベルトコンベアでの流れ作業は、人によっては車酔いしたような状態になる人がいると。
実はわたしは子どもの頃から三半規管が弱く、すぐに車に酔うタイプ。
クラスに必ずひとりはいる、遠足のバスの中で酔って吐いてしまう子でした。
大人になってからはだいぶ和らいだものの、人よりかなり酔いやすいのは変わらない。
大丈夫だろうか…?
社長に不安があることを告げると、
「枝豆が今手元にないのよね…。そうだ、ちょっと待ってて!」
自宅に入っていかれること、5分。
なんとお菓子の入った瓶を持ってきてくれました。
「お菓子を流して、大丈夫かどうかやってみましょう!」
社長、めっちゃいい人だ…!
ただの短期アルバイトひとりのために、わざわざ時間を使ってくれるなんて。
ぜひここで働いてみたいなあ。
社長が、ベルトコンベアの電源を入れてくれます。
動き出すベルトコンベア.に、枝豆を模したぺこちゃんのミルキー飴が勢いよく流れていく。
なんともシュールな光景。
やってみると…やっぱり、酔いそうな気が…。
延々とベルトコンベアの流れを見続けるのって、かなりきつい気がする。
でも高校生でもできるって話だし、慣れれば大丈夫なのかな?
やってみないと分からないよね。
もうひとつ不安だったのは、基本的に1カ月の間、休みは一日もないということ。
農家の世界ではもしかしたらそれが当たり前なのかもしれないけれど、さすがに休みなしは耐えられない…。
不安を抱えながらも、日曜日はお休みをいただけると了承いただいたうえでやってみることに。
これもまた挑戦だ!
ベルトコンベアでの選別作業は想像以上に過酷だった
迎えた初日。
朝の8時から、勤務は始まりました。
一緒に作業をするのは、社長と、他に3名の年配のアルバイトの方々。
皆さん何年も通われているベテランのようです。
皆さん気さくに挨拶してくださり、社長が面接でお話されていたとおり、良い人ばかりという感じ。
勤務開始前はみんなで談笑していて雰囲気も良く、人間関係は大丈夫そうと胸を撫でおろします。
ただ、肝心な枝豆選別作業についての説明はほとんどなく。
豆がひとつしか入ってなかったり、全体的に豆が小さめのものはフリーズドライに加工するので専用の箱に入れる。
かたちが崩れているものは廃棄の箱に入れる。
これくらいのアバウトな説明しかありませんでした。
しかも方言なので、6割くらいしか聞き取れません。
できれば選別のお手本を見せてもらったり、実際に選別した豆の状態を見せていただきたかったのですが、初日の新人なのでそんなことも言えず。
頭には帽子をかぶり、エプロンをして、ベルトコンベアの前の所定の位置に待機。
わたしの席は社長のすぐ隣です。
枝豆が流れてくるのをドキドキしながら今か今かと待ち受けます。
社長がスイッチを押し、ついにベルトコンベアが始動。
次から次へと、大量の枝豆がどんぶらこ流れてきます。
想像していたより、コンベアのスピードが早い…!
ちょっとでも気を抜いたら、あっという間に目の前を通り過ぎていってしまいます。
コンベアの下流には、最終関門として男性がスタンバイしてくれているのでわたしが最終チェックの人間というわけではないのですが、それでも見逃したらまずいという緊張感があります。
勤務が始まって、すぐに思いました。
この仕事、かなりきついなと…。
枝豆選別作業がきつい理由
・長時間同じ姿勢でいなければならず自由に動けない:どうやら基本的には、お昼休憩と午前中の15分の休憩以外はベルトコンベアは止まらないようです。その間、ずっと下を向いた同じ姿勢を維持しなければなりません。当然、立ち上がってストレッチしたりなどもできないので首や腰への負担がとても大きいです。トイレに自由に行くこともっままなりません。自分がトイレに行く=ベルトコンベアを止めなければならない=周りに迷惑がかかる。わたしはトイレがかなり近いのでこの環境は耐えがたいと思いました。好きなタイミングで水を飲むことすらままなりません。自分で状況をコントロールできず、ベルトコンベアに実権を握られているというのが、マイぺースなわたしには非常につらかったです。
・マルチタスクとスピードを求められる:枝豆の選別は一見単純作業に思えますが、わたしにとってはマルチタスクでした。なぜなら、流れてくる枝豆を①売り物にできる枝豆②そのままでは売り物にできないけれど加工すれば売れる枝豆③どちらにも該当しないので廃棄する枝豆。この3つに瞬時に振り分けなければなりません。シングルタスクでなおかつスピードが遅いわたしにとってはかなりきつくて脳疲労を感じました。売り物にできるかor廃棄のどちらかに振り分けるだけなら、まだできたかもしれません。よく、事務職は電話応対に来客にPC作業のマルチタスク!とか言われていますが、わたし的には枝豆選別のほうがよっぽどマルチタスクだと思いました。
・眼精疲労がつらい:永遠に止まらないベルトコンベアに流れ続ける枝豆を集中して見続けていると、目が疲れてくるし気持ち悪くなってきます。たまに顔を上げて景色を変えたくなるのですが、当然その間にも枝豆は流れてきますし他のスタッフさんは全く顔を上げないので自分だけそうするというのもさぼっているようでなかなかできません。結果、ひたすらうつむいている状態に。かなり身体に負担のかかる作業だと感じました。
・方言がきつくて言っていることが理解できない:社長もスタッフさんも地元の方なので、言っていることが6割くらいしか理解できません。どちらに選別するか分からないときは向かいにいる年配の男性に聞くのですが、何と言っているか分からないのです。「〇〇で!」というようなニュアンスのことをおっしゃっているのですが、これが「廃棄」を意味するのか、「加工」を意味するのかが聞き取れないのです。だから聞き返してしまいます。男性も選別中なので、何度も聞くと悪いかなと思ってしまったり、方言って地元外の人間からすると怒っているように聞こえてしまうときがあって萎縮してしまい、だんだんと聞かずに自分の判断で進めるようになってしまいました。
途中、社長に「両手を使ってやるんだよ」とアドバイスもらったのですが、自分にはそれができません。両手を使うってどうやるの?一度にひとつの作業しかでいない人間なので、右手の枝豆を見て選別して、同時に左手の枝豆も見て選別するという同時進行ができません。
作業の合間に他のスタッフの方々をちらりと見やると、皆さんまるでロボットかのように無駄のない、均一な動きで集中力が途切れていません。なぜみんなそんなふうにできるの?つらくないの?わたしはつらい。ずっと姿勢が変えられず顔を上げたり立ち上がることすらできないことも、トイレに自由に行けないことも、マルチタスクなことも、スピードが要求されることも、この閉鎖的で日の入らない時間の止まったような狭い空間にいることも、一言も言葉を発することができないことも、全てがつらい。
わたしの行動はいま、ベルトコンベアに支配されている。ベルトコンベアのスイッチが切れない限り、わたしは永遠にロボットのように無機質に、ひたすら枝豆を選別しつづけなければならない。
ああでも、慣れてくれば大丈夫になるのだろうか?心を無にして、ベルトコンベアと心をひとつにすれば。ベルトコンベアのしもべとなれば。このお仕事をやり遂げることができるのだろうか…。
そんなことを考えながら枝豆と向き合い続けること1時間半。
おもむろに、誰かから肩を「ポン」と叩かれました。
見ると、それは社長でした。
何だろう?
驚いてみると、なぜか社長は片手にわたしのリュックを持っています。
そしてニコニコと笑みを浮かべ、出口の方を指さしています。
立ち上がり、作業場の外へと出ます。
社長は、変わらずニコニコと笑みを絶やさないまま、はっきりとこう述べました。
「あなたには、この仕事は合わないと思う。」
社長からのクビ宣告
「あなたには、パッパッとやるラインの仕事は向いてない。だから、もっと自分に合う他の仕事を探した方がいいと思う。」
社長は、わたしの目を見据えてそう言いました。
「人には、向き不向きがあるから。」
社長はそう言って、1時間半働いた分のお給料と、お土産として大量の枝豆を渡してくれました。
あまりにも突然のことで、すぐには事態を飲み込めず立ち尽くしていましたが、社長に対しては特に嫌な感情は全く湧いてきませんでした。
この人はもう何十年も農家の仕事を一筋でやってきている。
そういう人から見れば、たったの1時間半だとしてもやったときの手つきや様子を見ただけで、筋があるかどうか分かるのだろうと思います。
マニュアルや説明がなかったのはちょっと不親切だと思ったけれど、農家とはそういうものなのですよね。実際にやってみて、身体でおぼえていかなければならない。
「農家の仕事は厳しいんです」
社長の言葉が印象に残りました。
あそこの作業所にいらっしゃるのは、厳しい環境をくぐり抜けてきた猛者の集団。
だからこそ息を吸うように、リラックスして長時間集中して枝豆を選別することができる。
到底、わたしのような甘ちゃんに務まる世界ではなかったのだと身に沁みました。
また、自分でも枝豆の仕事をやり遂げられるか迷っていたので、あえてはっきりと「向いていない」と言われたことですっきりとした気持ちになったのです。
「言っていただけてよかったです。どうもありがとうございました。」
そう笑顔で挨拶し、作業所を後にしました。
スピードが要求される仕事はやはり無理だった
結論としては、やはりわたしの性格として、ライン作業のようなスピード
