海王星みたいな紫陽花が好き
昔から、花を見るのがとても好きで、道端に咲いているのを見かけるとつい足を止め、吸い寄せられるように近づいていってしまいます。
色とりどりの小さくて綺麗な世界は、ささくれだった心を和ませ、ほっとさせてくれるのです。
桜に、チューリップに、菜の花に、藤やスミレ。
ネモフィラやラベンダーやアネモネ、すずらんやカスミソウ。
どれも大好きだけれど、なかでも一番好きなのが、紫陽花。
梅雨の時期になると街角や庭、公園の隅で雨に打たれながらひっそりと静かに咲く佇まいに、毎年目を奪われます。

どうして、たくさんの花の種類があるなかで、自分はあじさいに惹かれるのだろう?
他の花たちを見るときとは、何か違った感覚を覚えます。
ノスタルジックというのか、どこか懐かしい。駄菓子屋さんみたいなレトロ感。
紫陽花は土壌の性質によって、同じ花でも青や紫、ピンクや白とコロコロと色を変えるていく。
姿かたちすら定まらず、雨に包まれ、輪郭を失ったその様はまるで霧に包まれた海王星を連想させます。
梅雨の、ほんのわずかな時期にだけ咲き誇る姿はすごく儚い。
そしてそれは桜も紅葉も同じなのだけれど、あじさいに対しては特別な愛おしさを感じます。
なぜだろう。
あじさいの花言葉を知っていますか。
・移り気
・浮気、冷淡
・無常
なんだかよからぬ言葉が並んでいます。
でもその一方で、
・家族団らん
・和気あいあい
・辛抱強い愛情
深い愛を感じる言葉もある。
単純じゃない、複雑で多面的で、どこか神経質なイメージ。
クールで、いつも素知らぬ顔。ふわふわふわふわ、形を変えながら自分の世界を漂っている。
だけどその奥に、深い愛を秘めている。
そんなイメージにぴったりの曲を思い出したので、ぜひ紹介させてください。
今はもう活動を止めてしまったアーティスト。AIR(車谷浩司)のHeavenly。
Heavenly.Help me,me
顔あげたら虹を見た
なぜか不意に涙でた
ひとしきりに雨あられ
憂い流せ晴れ渡れ

美しいアコースティックギターから始まるこの曲は、独特の浮遊感が漂っている一方、
曲全体がなんともいえない重苦しさと暗さで支配されています。
でもこれが癖になるというか、当時は毎日繰り返し聴いてAIRの世界に浸っていました。
MVも、まさに海王星を象徴したような世界観になっています。
闇が垣間見える人って、たまらなく魅力的。その奥には何が潜んでいるのか知りたくなる。
だからきっと、あじさいにも強く惹かれるんだ。
今日はそんなことを思いながら、近所の公園のあじさい通りを歩いていました。
