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魔法使いになりたい

みずいろ

魔法を使えるようになりたい。 

最近、そんなことを思うようになった。


自分だけの魔法を使える、魔法使いになりたいって。

魔法なんて、存在するわけない。
そんなおとぎ話信じてないで、現実的に、ちゃんと地に足をつけて生きないと。
世間から見て恥ずかしくない人間にならないと。
だってわたしには何もないんだから。


ずっとそう思って生きてきた。

でも、いつまでたっても、どんなに努力しても、地に足のついた「ちゃんとした大人」にはなれなかった。


会社ではいつも浮いていて、みんなの輪の中に入れなかった。
仲良くなりたくて話しかけても、どこか変な空気になった。
みんなが笑う場面で、笑えなくて、みんなが平気なことでも一人傷ついた。


みんなと何が違うのか、考えても考えても分からなくて、同じになれなかった。
擬態しようと思えば思うほど、心は擦り切れ身体は悲鳴をあげていた。
でこぼこのじゃがいもは、どんなに丸くしようとしてもまんまるにはなれなかった。

心療内科に通った時期もあった。適応障害と言われた。
こんな苦しい場所で、みんなが普通の顔をして毎日毎日、ロボットみたいに仕事をこなせているのが信じられなかった。
自分だけ異空間に存在してるみたいな気持ちだった。

その頃よく相談していた親友が言ってくれた言葉がある。


「馴染めなくて苦しいのは、みずいろちゃんが唯一無二だからだよ」

あのとき親友が言ってくれたのは、もしかしたらわたしには魔法使いの才能がある、ということだったのかもしれない。
今になって、そう思う。


本当は自分のなかには魔法の種が眠っていて、起こしてくれるのを今か今かと待っているのかもしれない。
アブラカタブラと呪文を唱えたら、ランプから魔人が現れたみたいに。

いつまでも魔法使いになれない理由は、魔法が存在しないからじゃない。


きっと、自分で自分を信じていないから。

「自分にできるわけがない」
「自分は何者にもなれるわけない」

そう自分に呪いをかけ続け、魔法の種を心の奥深くまでぎゅうぎゅうに押し込めて気づかないふりをした。

呪いをかけたのには、動かない自分を正当化できるメリットがあったから。行動せずうずくまることで、傷つかなくて済んだ。

傷つかない代わりに、いつまでたっても魔法の種は花を咲かせることができなかった。種はいつの間にか干からびて、いつの間にか、その存在すら忘れていた。

もう、そんな生き方は、嫌だ。
わたしは、自分をあきらめたくない。
まだ、わたしのなかには咲いてない花があるはずなんだ。


わたしにとってのアブラカタブラは、自分を信じること。

すぐには変われない。
でも、少しずつでも前に進んで、明日に繋げていく。
一歩踏み出すたびに、魔法の種は芽を出し、やがて花を咲かせるのだと思う。

そのとき初めて、わたしだけの魔法はこの世界にそっとうまれるのかもしれない。

あなたは、魔法を使えていますか?
どんな魔法か、よかったらぜひ教えてください。

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